星読島に星は流れた/久住四季
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大満足。
実は久住四季の作品を読むのは二作目(『トリックスターズ』を読んだのみ)だったのだが、めちゃくちゃ面白かった。
ラノベ出身の作家なので敬遠する人はいるかもしれないが、その人達は多分損をするはず。
孤島における、容疑者の限定された殺人事件という本格ミステリではありふれた舞台を用いながら、年季の入ったミステリファンをも楽しませる。
一連の殺人事件の謎と解決もさることながら、「星読島」ことセントグレース島が持つ謎、そして博士が参加者全員に投げ掛ける質問の持つ意味、そしてこれらがひとつらなりになったときに衝撃を受けた。
星読島ことセントグレース島。この孤島に住む天文学者ローウェル博士は毎年、ネットの天文フォーラムで参加者を募り、観測の集いを開いていた。セントグレース島には天文学的に極めて珍しい現象が見られ、そのためこの集いに参加するのは純粋な天文学のファンから学術関係者、そしてある方面の蒐集家やそれを扱う商人まで幅広い層の垂涎の的となっていた。医師の加藤盤はすさまじい倍率を潜り抜けてこの集いの参加者になる。
そして連続殺人事件が始まる。
傑作。