貧乏お嬢さま、古書店へ行く/リース・ボウエン
「英国王妃の事件ファイル」シリーズ、第二作。
リース・ボウエンのモリー・マーフィー シリーズの二作、講談社文庫から出版社されている『口は災い』、『押しかけ探偵』はまあまあと言ったところだが、こちらの「英国王妃の事件ファイル」シリーズはすごく面白い。シリーズのタイトルだけ見ると、英国王妃が事件を解決するようだが、英国王妃(イギリス国王ジョージ5世の妃であるメアリー・オブ・テック)はヒロインの雇い主である。息子の恋人、王妃が大嫌いなウォリス・シンプソンともども、強烈な個性をもって描き出されている。
今回は、元巡査のおじいちゃんが格好いい。恋人ともども、ぜひとも引き続き活躍して欲しい。魚顔のルーマニアのプリンスもまた出てくる。この人、シリーズキャラクターだったのか。
王国継承権三十四番目、英国王族の末端である若く貧乏な女性ジョージー。王妃から、息子と恋人を別れさせる策の一端として、修道院から出たばかりの若く美しいドイツのプリンセスのお世話係を命じられる。しかしこの世間知らずの姫君に散々振り回され、また殺人事件に巻き込まれる。
ウィキペディアを見ると、作者ボウエンは歴史ロマンスも執筆していたらしい(「英国王妃の事件ファイル」シリーズにもその影響は見られる)。ウェールズの巡査エヴァン・エヴァンズが主人公のシリーズとともに、そちらもぜひ出版して欲しい。ちなみに今回はロマンス成分はやや控えめである。
作者リース・ボウエンのウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%83%B3
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