FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

特捜部Q 知りすぎたマルコ/ユッシ・エーズラ・オールスン

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 シリーズ第五作。
 550ページを超える大作なのだが、アクションに次ぐアクションで飽きさせず、これはシリーズ第三作『特捜部Q Pからのメッセージ』に次いで面白かった。
 今回は、叔父が率いる犯罪組織から脱走&反撃を試みる少年マルコの活躍に、特捜部Qの面々ですら脇に回ったような印象がある。わざとマルコの活躍……おそらく彼が登場するのは、この一巻だけだろう……を目立たせ、シリーズものにはつきもののマンネリズムから脱却しようとしているのだろうか。
 まだ十五歳の身でありながら、叔父が牛耳る犯罪組織の一員として働いて、いや働かされているマルコ。父親も同じ組織にいるのだが、弟にはまったく頭が上がらず、また息子たるマルコを守ってくれる様子はまったくない。
 叔父の暴力から心身を守るため、逃げ出した。ところが叔父は執拗に、そして手段を選ばずマルコを追う。ある外交官の失踪事件に特捜部Qのメンバーがタッチしたことにより、彼らもまたマルコを追うことになる。
 特捜部Qの面々とマルコの別れのシーンも粋。
 秀作。

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↑個人的にはシリーズ第三作『特捜部Q Pからのメッセージ』が最高傑作だと思う。