アラン 阿娘/アン・サンフン監督
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韓国のホラー映画である。
タイトルの『アラン 阿娘』のアランとは、韓国の慶尚南道に伝わる民間説話だという。
へらへらとした態度で被害者を貶めようとした容疑者を思わず殴り、停職処分を受けていた女性刑事ソヨンはようやく仕事に復帰できることになった。しかし職場に戻ってくると相棒として、新人男性刑事ヒョンギがあてがわれていた。ソウルの科学捜査班から、みずからの意志で移動してきた変わり種だ。どうも頼りない印象のある青年だが、かつて所属していた職場のせいか死体に関し、しばしば鋭い意見を述べる。
二人が最初に挑んだのは、ある男性の変死だった。不思議なことに被害者のこの男性、殺人罪で服役していたにも関わらず、そして出所した現在はそれに相応しい収入はないにも関わらず、物質的に豊かな生活を送ってきた。捜査を進めるうち、被害者の友人が一人また一人と殺されていく。
一方、海辺の村の塩の倉庫で、少女の亡霊が出現するという噂が流れていた。実際に目撃者も現れ、地元の女学生の間で恐怖の的となっていた。
ぎりぎり終盤ぐらいまで「結構面白いけど、よくあるタイプのゴーストストーリーだな」と思っていた。脳裏に浮かんだのは、「パークプム・ウォンプム監督およびバンジョン・ピサヤタナクーン監督『心霊写真』、リメイク版は落合正幸監督『シャッター』」
しかし、話がかなり終わりに近くなってから、意外な方角から飛んでくる矢に驚かされる。伏線もちゃんと張られている。何気なく聞き流していた会話、あるいは見ながら気にも留めなかった場面がそれだ。
秀作。
最後のあれがだらだらしていたから秀作になった。
ラストをもう少しシャープにまとめていたら紛れもなく傑作だった。