FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

クロエのレクイエム/ブリキの時計

 これを告白するのは恥ずかしいが、私は極端な不器用である。技術が必要な運動はほとんどできないし、手先もぶきっちょだ。このことで残念なことは数多いが、その中の一つが、面白そうだと思ったゲームができないことである。
 ここで言うゲームというのは、ホラーのフリーゲームのことだ。ホラーに関わる創作物が大好きで、ホラーのフリーゲームもたくさんプレイしたいのだが、それを妨げるのが、当方の不器用だ。ホラーゲームのプレイヤーにはしばしば「襲い掛かる敵から、素早く巧みに逃げる」ことが要求される。
 これができない。
 ダッシュキーを使ってもできない。攻略情報を見ながらプレイしてもできない。
 むろん攻略できるゲームもあるが、できないゲームも多い。
 ふみーさんが作られた館もののゴシックホラーゲームの名作『魔女の家』(http://majonoie.karou.jp/)もとても雰囲気が良かったのだが、途中で挫折した。前述の通り、敵から逃げる箇所でどうしてもつまずき、クリアできなかった。
 Kouriさんが作られた、閉ざされた館ものならぬ、閉ざされた美術館もののゴシックホラーゲームの名作『Ib』(http://kouri.kuchinawa.com/game_01.html)はどうにかクリアできた。これはめでたい。
 ゴシックホラーゲームの中に、「ブリキの時計」さんが作られた『クロエのレクイエム』( http://cloeslequiem.uunyan.com/)が加わった。
 話そのものもとても面白い。少しミステリの要素もある。
 そして音響の面での効果も利いている。女性の啜り泣きの声。死者のざわめき。そしてクラシック音楽の名曲。映画同様、ホラーとは視覚と聴覚へと及ぼす影響への合わせ技が肝心なのだと改めて認識させてくれる。
 名作。もっと手先が器用になりますように。

↑「魔女の家」。小説も出ていると初めて知った。