FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

殺人の告白/チョン・ビョンギル監督

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 十五年前に起きた、十人もの女性が殺害された連続殺人事件。実は十一人目の被害者がいるのではないかと考えているものもいるが、その女性の死体は発見されていない。
 この連続殺人事件が時効を迎えてから、自分こそが犯人だと名乗り出た男がいた。その男ドゥソクは、殺人事件の詳細を書いた本を著してベストセラー作家となり、しかも事件に深い関わりを持つチェ刑事を挑発する言動を繰り返す。
 同じ頃、事件の被害者遺族は消えぬ怒りと哀しみから、密かに集い、復讐を計画していた。しかもドゥソク以外に、自分こそが本当の犯人だと名乗り出てくるものさえいた。
 この三つ巴ならぬ四つ巴の争いの決着点はどこか。そして誰が嘘をつき、誰が本当のことを話しているのか。むろん殺人事件の真相はなにか。
 この作品は、韓国で実際に発生した、そして未解決のまま時効が成立した華城連続殺人事件を題材にとっているとのこと。この事件はすでにポン・ジュノ監督が発表した『殺人の追憶』でモチーフとしているがまだ見ていない。重苦しい傑作だと聞いているので近いうちに見るつもり。
 ミステリ小説ファンにもお勧めの秀作。アクションシーンもやたら多い。
 「テープに偶然入っていた大統領選挙のニュースのため、犯行の日時が特定される」ところで終わっていたら傑作だった。そのあとがやや長く、だらだらとした印象を与えるのが残念だった。
 
[rakuten:surprise-web:11473611:detail]