FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

封印映像 呪われた森

 創作者の名前を書いていないが、「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズの制作スタッフによるホラー映像集。「撮影中に問題が発生し、お蔵入りとなったTV番組の映像、放映や掲載が憚られた投稿映像などを収める」という体裁になっている。
 どこかで「恐怖と笑いは神一重」と文章を読んだことがあるが、この『封印映像 呪われた森』はその紙一重を突き破り、笑いの方角へと突き進んでしまったようだ。
 創作者が恐怖を目指しているであろうに、受け手が笑いもしくは脱力感を覚えてしまった例としては、私個人の体験として、モンスターの造形がおかしい、ジェニファー・コネリー主演、ピーター・デル・モンテ監督『エトワール』、そしてモンスターがアクション映画並みに動きすぎるので、「わざわざホラー映画にしなくても良くないか?」と感じたジョナサン・ ベスマン監督『黒の怨』の二作品である。
 この『封印映像 呪われた森』で三作目となった。
 この『封印映像 呪われた森』がさっぱり怖くない、むしろ見ていて笑ってしまうのは、全体を通してさりげなさというものがまったくないからだ。
 フェイクドキュメンタリーもの、それも一つの大きなストーリーがあるものではなく、複数の、尺が短めの映像を集めた形の作品においては、肝心な要素の一つは「一見したところ、ごくごく普通の写真、映像であるにも関わらず、よくよく見ると……」という落差であるにも関わらず、あまりにも露骨になにかが映っている。おまけに役者さん達の演技も大袈裟だ。
 もっとも一作だけで見るのを止めるのはやや惜しい要素があるので、もう少し様子を見ることにする。

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