ゴースト・ライト/クレイグ・ローゼンバーグ監督
- 出版社/メーカー: ギャガ
- 発売日: 2007/02/02
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物語の前半は甘ったるいラブロマンス、しかし後半は……の意外な裏切りが嬉しい一作。風景だけはびっくりするほど美しいものの、前半はラブロマンスとしても結構かったるいので、見るのをやめようかとも思ったのだが、やめなくて本当に良かった。
ミステリで落とすか、ホラーで落とすか、なかなか分からず、焦らされる。
才色兼備の女性作家レイチェルは、幼い息子トーマスを事故で溺死させたときから、トーマスにとっては継父である夫ブライアンとの関係もしっくり行かなくなり、親友の勧めもあり、スコットランド、インゴニッシュ湾の別荘へと引きこもる。
その土地で、灯台守アンガスと知り合ったレイチェルは、やがて彼と惹かれあっていく。しかし、レイチェルの周囲にトーマスの亡霊と思しきものが現れる。
やがてアンガスとの恋愛も、意外な様相を見せていく。
前半がややかったるいと書いたものの、この恋愛場面があるからこそ、パーティーでレイチェルが聞かされた、アンガスに関するある事実から始まる後半の急展開、ヒロインが陥った恐れと混乱がうまく活きてくるのだろう。
鄙びてもおり、異教的でもあり、どこか廃墟を思わせる海辺の町が醸し出す雰囲気、ときとしてヒロインには分からない言語(きつい方言?)で話す町の人々は、ホラー映画でお馴染みの「恐怖の田舎」ものを連想させる。
また物語で主要な役割を果たす、霊能力があると思しき人形師の女性の存在も、古典的なホラー映画のムードを盛り上げている。
果たしてレイチェルは狂っているのか、いないのか。
トーマスの亡霊は存在するのか、しないのか。
そしてアンガスはなにものなのか。
ラストでの登場人物達の決着も気が利いている。
これは思わぬ拾い物。
ホラー映画ファン、サスペンス映画ファン、どちらにもちょっとお勧めの一作。