FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

『バーナビー警部』

 凄く良かった『コナン・ドイルの事件簿』も終わってしまい、次に手にとったミステリドラマは、『バーナビー警部』シリーズ。原作者のキャロライン・グレアムがわりと好きだったので、前から関心があった。
 ちなみにキャロライン・グレアムの邦訳は、角川書店から『蘭の告発』が、東京創元社から『うつろな男の死』が、論創社から『空白の一章』がそれぞれ出版されている。私見ながら、『蘭の告発』が一番面白い。
 人間関係の軋みを見出し、そこから殺人事件解決の糸口を見出すタイプのミステリドラマで、一昔前の典型的な英国の田舎の村がとても美しい。
 ドラマの一話から三話はそれぞれ原作を読んだことがあるので、内容を知っているので、第四話の「誠実すぎた殺人」から見る。現在、第六話「秘められた誓い」まで見た。のどかな田舎に集う 新興宗教のサークル内での殺人事件を描いた第五作「沈黙の少年」がもっとも出来がいい。
 謎解き、話の面白さとともに、まあまあ楽しめる。良くも悪くも現代の刺激的なミステリに慣れた身としては、穏健な作風である。

蘭の告発 (角川文庫)

蘭の告発 (角川文庫)

うつろな男の死 (創元推理文庫)

うつろな男の死 (創元推理文庫)