シーバース/デヴィッド・クローネンバーグ監督
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正式なタイトルは、『デヴィッド・クローネンバーグのシーバース』。クローネンバーグ監督の初の長編映画である。初々しさよりぎこちなさが、目立って見える。
人間は脳の発達した賢すぎる生き物なので、寄生虫を介在させることによって常に発情させ、本能を開放させようと、頭の方は大丈夫かと尋ねたくなるような発想によって生まれた虫が引き起こす、閉鎖空間でのパニックを描いたホラー映画。モントリオール郊外の島に造られた、豪奢なマンションが舞台だ。
寄生虫に襲われた人々が、発情ゾンビと化して人々を襲うエログロ映画だが、エロよりグロの印象が強い。初々しさよりぎこちなさが、目立って見える、と前述したが、それは設定がアホでエロいからではなく、閉鎖空間でのパニックを描いているにも関わらず、中だるみが目立ち、こういった設定でのキモとなるべき緊迫感が欠けているからだ。
冒頭のシーンはいい。冒頭の声もない二人の戦い、やがて起きる殺人、続く人体破壊のシーンはとてもショッキングである。このテンションがずっと続けば良かったのだが、「寄生虫が登場→人を襲う→人がまた人を襲う」の連続でやや退屈になっていく。
『Rabid』には期待したい。