夜霧は愛をさらって/コニー・ブロックウェイ
- 作者: コニーブロックウェイ,Connie Brockway,数佐尚美
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2013/03
- メディア: 文庫
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必ずしも本国での発表順の通りとは限らないものの、『漆黒の乙女の吐息に』、『すみれ色の想いを秘めて』と立て続けに、ヒストリカルロマンスの傑作が邦訳されているコニー・ブロックウェイ。この初期の作品だという『夜霧は愛をさらって』もとても面白かった。どれもだらだら続かず、一冊で潔く終わるのがいい。
ヒーローとヒロインは、昼間は元軍人と美しき未亡人として社交界で顔を合わせ、夜ともなれば腕利きの女怪盗と、内務省の密命を受けた諜報員として追いつ追われつする関係だ。しかも、ヒーローは未亡人と女怪盗が同一人物だと知らず、一度に二人の女性に惹かれていると思い込んでいる。
この設定だけで、すでに成功は半分約束されたに等しい。
また悪役の描写も冴え渡っている。ヒロインとヒーローの傍らに一人ずつ、とりたてて肉体的な暴力を使わないにも関わらず、他人の魂を殺す達人がいる(いた)のだが、そのエピソードが引き起こす嫌悪感には凄まじいものがある。
十九世紀のロンドン。上流階級を騒がせていたのは、貴婦人たちの宝石を巧みに盗む泥棒「レックスホールの生霊」。英国内務省の大物から盗賊の追跡を命じられたスパイのセワードは、女怪盗にあと一歩のところで迫るが逃げられてしまう。そののち彼は、社交界で美しい未亡人アンと知り合い、互いに惹かれ合う。「レックスホールの生霊」とアンが同一人物だと知らずに。アンも戸惑いつつも、自分を追う男に惹かれてしまう。
傑作。
- 作者: コニーブロックウェイ,Connie Brockway,水野凛
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2012/01
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- 作者: コニーブロックウェイ,Connie Brockway,数佐尚美
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2012/06
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