FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ボディ・ハント/マーク・トンデライ監督

ボディ・ハント [DVD]

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 この安っぽい邦題のせいで、本来の客層(ミステリ映画ファン)を大量に逃がしているような気がする。原題“ House at the End of the Street“ (街路の突き当たりの家)をもっと活かしたタイトルがつけられなかったものか。
 失礼ながら大して期待せず見たのだが、これはなかなかの秀作だった。単なるアイドル女優映画、ティーンエイジャー向けスリラー映画ではない。
 かつて少女キャシー・アンが両親を殺し、そのまま失踪したとされる家。現在では、その家に、伯母に家に預けられていたため、惨劇をたった一人逃れた少女の兄ライアンが暮らしていた。周囲の白眼視に耐えながら。
 高校生の少女エリッサが医師の母と引っ越してきたのは、そのいわく付きの家の隣だった。エリッサは、ライアンと惹かれ合う。しかしエリッサは知らなかった。ライアンが、地下室に少女を隠していることに。異常なほど暴れ、叫ぶ少女を必死でなだめ、薬物で眠らせながら、ぎりぎりの生活を送っていることに。ある日、少女が地下室から脱走した。
 「青いカラーコンタクト」の使い方など、なかなかうまい。伏線もよく張られている。
 ミステリ映画ファンには、ちょっとお勧め。扇情的な邦題、DVDの表紙に騙されないように。
 同じ脚本家デビッド・ルーカの映画、ジム・シェリダン監督『ドリームハウス』が楽しみである。

ドリームハウス [DVD]

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