巡礼者パズル/パトリック・クェンティン
- 作者: パトリッククェンティン,Patrick Quentin,水野恵
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2012/09
- メディア: 単行本
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思っていたよりもずっと楽しめた。タイトルに「パズル」がつき、ピーター・ダルースを主役とした<パズル・シリーズ>の六冊目で、これまで邦訳されたことがなかった作品である。
邦訳されたことがなかった、というのは「邦訳される必要はなかった」のではないかと危ぶんだが、そんなことはない。ただ、『迷走パズル』、『俳優パズル』でのダルース&アイリスの出会いやその後の交際の様子を読んだばかりなので、時の流れの残酷さを感じさせる。
戦争ですっかり人が変わり、妻アイリスに逃げられたダルース。彼はアイリスを追ってメキシコへと渡る。ところがアイリスには、すでに作家のマーティンという恋人がいた。ショックを受けるダルース。しかしダルースも、マーティンの妹マリエッタに惹かれていく。
錯綜とする人間関係の中で、マーティンと離婚問題で揉めていた妻サリーが死んだ。一見事故のように見えたが、事件を思わせるあやしい証拠が幾つもあった。
あらすじだけ書くとメロドラマのようだが、登場人物同士の告発合戦(むろん容疑者にアイリスも含まれる)あり、真相もなかなか決まっており、ミステリマニアを楽しませてくれる。
傑作だとか、<パズル・シリーズ>の代表作だとかは言えないけれど、まずしお勧め。
, <パズル・シリーズ>はこれで幕を下ろすが、ダルースとアイリスを主役に据えたミステリはまだ二冊あり、そちらの邦訳、新訳が待たれる。
- 作者: パトリック・クェンティン,白須清美
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/04/27
- メディア: 文庫
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- 作者: パトリック・クェンティン,白須清美
- 出版社/メーカー: 東京創元社
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