FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

夏の雨のめぐりあい/メアリ・バログ

夏の雨のめぐりあい (ヴィレッジブックス)

夏の雨のめぐりあい (ヴィレッジブックス)

 悪い意味で唸ってしまった。
 ゛ベドゥイン・サーガ゛の二作目で、『婚礼は別れのために』の続編である。『婚礼は別れのために』も、「これが本当にメアリ・バログの作品か」と愕然としてしまうほどつまらなかったが、この『夏の雨のめぐりあい』も相当につまらない。
 牧師の娘で、姉妹の中でただ一人父親に醜いと評され続けたジュディスは、弟の使い込みによる窮乏から家族を救うため、意地の悪い伯母のもとで使用人として働くことになった。伯母の家へと向かう旅の中途、ハンサムな貴族の男性ラナルフと知り合ったジュディスは、自分は女優だと偽り、一夜をともに明かす。彼こそが、伯母が従妹の夫にと狙う男性だと知らずに。
 とにかく読んでいてかったるい。なんだか『婚礼は別れのために』の感想と同じことばかり言っているようで申し訳ないのだが、それほど外したストーリー展開ではないにも関わらず、他のメアリ・バログ作品のように面白くないのだ。
 ゛ベドゥイン・サーガ゛は傑作シリーズ、゛シンプリー・カルテット゛と同じ時代、関連ある登場人物達を主人公にしているのだが、この設定はすっぱりと捨て、別の時代、別の土地、別の人々をキャラクターにして、新たな物語を書き始めた方がいいと作者に忠告したいぐらいだ。
 メアリ・バログを初めて読むという人には勧めたくないシリーズ。

ただ魅せられて (ヴィレッジブックス)

ただ魅せられて (ヴィレッジブックス)

ただ会いたくて (ヴィレッジブックス)

ただ会いたくて (ヴィレッジブックス)

ただ愛しくて (ヴィレッジブックス F ハ 11-2)

ただ愛しくて (ヴィレッジブックス F ハ 11-2)

ただ忘れられなくて (ヴィレッジブックス)

ただ忘れられなくて (ヴィレッジブックス)

傑作シリーズ、゛シンプリー・カルテット゛。どの巻も素晴らしい。