チューダー王朝弁護士シャードレイク/C・J・サンソム
- 作者: C.J.サンソム,C.J. Sansom,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/08/21
- メディア: 文庫
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十六世紀イングランド、統治するのはヘンリー八世。弁護士シャードレイクは、王の摂政クロムウェルの命令により、修道院で起きた殺人事件の謎を追う。
「イギリスの時代物+修道院が舞台」もののミステリとして、期待しながら手に取ったが……とてもつまらないとは言えないが、手放しで面白いとは言いかねる出来だった。
重厚な雰囲気と、ゆっくりとした展開と、多いページ数。これらが読みにくい主たる原因で、おまけにそこを乗り越えて待っていた謎解きの真相が、あまりにもありがちで、評価が下がった。
殺人事件の真相がもう少し読者を楽しませてくれるものだったが、雰囲気の重さや、ページ数の多さもさしたる傷にはならなかったはず。
スカーンシアの修道院で残忍な殺人事件が起こった。摂政クロムウェルの命令で、弁護士シャードレイクは秘書兼助手のマークを連れて修道院へと向かう。
シャードレイクは肉体的なハンデを負っており、そのことが他人に蔑視されることもあって、自分自身でも深いコンプレックスを持っている。それを補うように深い知性を持つ彼とマークの前に現れた容疑者は、いずれも個性の強い修道士ばかりだった。
言うまでもないがヘンリー八世はエリザベス一世の父親である。六回結婚した彼だが、エリザベス一世の母アン・ブーリンを含め、何人かの王妃を処刑している。この巻の時点では、三人目の王妃ジェーン・シーモアが出産後に生命を落としたばかり。