元カノ 〜憑き纏う女〜/ピヤポン・チューペッチ監督
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- 発売日: 2012/02/22
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このタイトルのせいでずいぶんと損をしているだろうが(ホラー映画ファンでさえスルーしているかもしれない……)けれん味のない、正当派のホラー映画である。
タイの幽霊映画で、おそらく日本人にもよく受けるのではないだろうか。
人気俳優のケンはプレイボーイ。ボウという女性を捨て、ミーンという女性を妊娠させたうえに捨て、現在は女優のブロイと付き合っている。ボウは、ケンと電話でなんとか話そうとしている最中に、交通事故に巻き込まれて死んだ。
そして、ケンはブロイとの交際に真剣になり、結婚まで考えるようになる。だが、ケンとブロイ、二人がいると、次々と恐ろしい現象が起きる。ケンとブロイを追うパパラッチでさえ、ケンとブロイのツーショットを撮影する都度、現れる女の影に、職業を忘れて怯えた。
やがてケーンが別荘に向かったとき、ミーンが姿を見せた。子供を堕胎したという。一晩だけ抱いたが、ブロイまでもが別荘にやってきたときにミーンは姿を消した。そして、ケンとミーンの仲を裂こうとするものに惨劇が襲う。
ケンとブロイが部屋でいちゃついているときに突如として停電、一人きりになったブロイの背後に女の影が現れる。最初、ブロイは気がつかない。ようやく気が付いても、怖さのあまり、なかなか振り向くことができずにいる。しかし、観客には、恐ろしい様子の女の影がどんどんとブロイに近付いてくるのが見て取れるのだ。
そんな秀逸な演出を初めとし、ケンの行く先々に現れる南国の白い花や、心霊写真といった小道具に使い方もうまい。
欠点として、出てくる女優達が、特にミーンとボウを演じた女優達が似ていることが挙げられる。非常に髪型やメイクが似通っているため、画面に出てきても一瞬見分けがつかず、「これって誰だっけ」と考えてしまい、恐怖に没頭できなくなってしまう。
そこを除けば、なにも言うことはなかった。オチも決まっている。
ホラー映画ファン歴の長い当方から見ても、結構怖かった秀作。