ダーク・フェアリー/トロイ・ニクシー監督
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舞台となる館が美しいホラー映画はいい。美しい館が大好きな当方は、出てくる家がきれいだと、少しだけ映画の評価を底上げしてしまう悪癖がある。
実に館がきれいな映画であった。庭園もきれいだった。そしてくるくると回れば、壁に映った影もくるくると回る、メリーゴーランド型の電燈もきれいだった。そして出てくる魔物は、実に醜悪であった。フェアリーという名前に騙されてはいけない。舞台はアメリカだが、本来の英国の伝承が持つ「妖精」に近い生き物達が出てくる。
古風な印象のゴシックホラー、そしてモンスター映画だった。おそらくこの古風さは、狙って醸し出したものだろう。作中で、英国の古い怪奇作家アーサー・マッケンの名前が出てくるし、館のかつての持ち主ブラックウッドも、おそらく同じく英国の古い怪奇作家アルジャーノン・ブラックウッドから借りたものではないだろうか。
アメリカ、ロードアイランド州。建築家のアレックスは、恋人キムとともに古い館の修復作業に携わっている。そこに、前妻に引き取られている、アレックスの幼い娘サリーがやってくる。
実はこの屋敷には忌まわしいものが棲み付いており、そして忌まわしい伝説をも残していた。サリーはそのことに気付き、怯えるが、父アレックスでさえ信じてくれない。信じてくれたのは、キムだ。しかし、二人は超自然的な存在に対し、あまりにも無力だった。
ギレルモ・デル・トロが監督……じゃなくて脚本・製作を務めており、英国のカルトTVムービー「地下室の魔物」を完全リメイクしたサスペンス・スリラーとのことだ。ちなみに「地下鉄の魔物」は見たことがないが、ぜひとも見てみたいものである。
館の美しさと、モンスターの醜さを楽しむ映画。あとは、この後味の悪さも。
ありふれたお話かもしれないが、当方は好きだ。
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