FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ザ・プロジェクト/アントニオ・ネグレ監督

 不吉な絆で結ばれた双子と言えば、ホラー映画でもよくある設定である。フランク・ヘネンロッター監督『バスケットケース』しかり、デヴィッド・クローネンバーグ監督『戦慄の絆』しかり、ハリー・クレヴァン監督『デッドリンガー』しかり……など、枚挙に暇がないほどだ。そして、「双子の片方に恋人ができた途端、破滅が」という展開も、ありふれたものだ。
 しかしありふれた設定、ありふれた展開を使いつつ、ちょっと良いホラー映画に仕上がっている。
 将来有望だった四人の青年の集団自殺。不審を感じた刑事は、一人きり……なぜか相棒など捜査チームの面々がまったく出てこない……で捜査を始める。彼はやがて、どこにいても印象に残らない、自殺した青年達と同じ高校に通う双子の存在に辿り着く。双子はなにかしら、録画している。そして撮られた人間には、大抵破滅が待っているのだ。なにせ、彼らには人の心を操る力があったから。やがて双子の近辺では死者、傍から見れば自殺者が頻繁に現れる。
 何度も亡き妻の映像を見せられ、トラウマを刺激されながら、刑事は双子と対峙する。
 双子の間にも、それまでにはない危機が訪れていた。双子の一人が転校生の少女と恋に落ち、これまでの「実験」を終了しようとしたからだ。
 刑事の捜査の軌跡と、双子との対決シーン、そしてラストのひねりと、少し面白いホラー映画。墓地や学校に佇む石の聖母像が美しい。
 検索して調べて見ると、この作品は全米劇場公開されたホラーシリーズ“アフター・ダーク・オリジナルズ”(全8タイトル)の第4弾とのこと。第四作目がこの出来なので、そこのもちょくちょく見てすくことにする。

バスケットケース [DVD]

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戦慄の絆 <デジタルリマスター版> [DVD]

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デッドリンガー [DVD]

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