フローズン/アダム・グリーン監督
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先に見た、同じ監督のスラッシャー映画『HATCHET/ハチェット』とその続編が面白かったから、相当期待しながら見たいのだが、その期待を違わず、いや期待以上に、面白かった。
舞台のほとんどが、地上より遙か十五メートル上の、頼りなく揺れるスキー場のリフトの上(!)、しかも吹雪にも見舞われる極寒の中という設定に意表をつかれる。しかも登場人物もおおもと、リフトに乗っている三人に絞られている。
これだけ限定された登場人物、限定された舞台で、よく物語を展開させてくれた。
スキー場へと遊びに来たダン、ジョン、パーカーの三人組は、最後のひと滑りをしようとリフトに乗り込み、途中まで進んだところ、全員帰ったと思い込んだリフトの係員が、操作を終えて帰ってしまい、リフトが止まってしまう。運の悪いことに、スキー場が再開されるのは一週間のちのことだ。連絡手段はなく、飲料も食糧も、身体を温めるものもない。
この男女三人組は「幼馴染の男二人、スキーには慣れている」に「男のうちの一人の恋人、スキーは初心者」の組み合わせで、スキー旅行は長らく男二人だけの習慣だったので、三人の関係はぎくしゃくしている。
しかしながら、リフトに取り残されたことが分かっても、三人の感情はすぐに爆発はしない。なんとかリフトから降り、三人すべてが助かる道を模索しようとする……そしてしくじり、大怪我をし、生命を失っていくものも出てくる。
細かなところだが、リストに残された女性が、ペットの犬のことを心配しているシーンが、とても印象深い。彼女は一人暮らしゆえ、ペットの面倒を見る人は他にいない。自分はここで死に、犬が取り残されたことを不思議がり、やがては自分を恨みながら餓死していくのではないかと案じている場面が痛切だ。同じように一人暮らしでペットを飼っており、これほど特異なシチュエーションではないにせよ、出先で倒れた人などは、同じような心配をするのではないだろうか。
シャープにまとまった傑作。
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