殺す鳥/ジョアンナ・ハインズ
- 作者: ジョアンナ・ハインズ,神林美和
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/04/27
- メディア: 文庫
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謎めいた日記、死者に対する愛憎、記憶の中の惨劇、ややこしい人間関係、そして家族の中の秘密。
なにもかもが好みにぴったりだ。こういうサスペンスが読みたかった。
夏のコーンウォール。世界的に有名な詩人キルスティンは死んだ。事故と判断されたが、音楽家を志す娘サムは信じなかった。なぜか母の日記と、そして母の詩が消えている。警察に相手にされなかったサムは、自分自身で調査を始める。
物語は現在と過去を行きつ戻りつしつつ、人と人との間の緊張が次第に高まっていき、やがて破滅にいたる様子を、優雅に描く。それだけで終わらず、そのあとの二転三転する真相もぬかりなく描く。
ジョアンナ・ハインズはかつて扶桑社ミステリーから『五番目の秘密』が一冊だけ邦訳されているのだが、そちらよりはるかに面白かった。
たおやかでいて、そして残酷なサスペンス。ジョアンナ・ハインズのみならず、こういったサスペンスが、もっと翻訳されれば嬉しい。
- 作者: ジョアンナハインズ,Joanna Hines,加地美知子
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1997/02
- メディア: 文庫
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