マシューズ家の毒/ジョージェット・ヘイヤー
- 作者: ジョージェット・ヘイヤー,猪俣美江子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/03/22
- メディア: 文庫
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『紳士と月夜の晒し台』に続く、ハナサイド警視シリーズ第二作。これは……正直に言って、この『マシューズ家の毒』から日本の読者に紹介した方が良かったのではないだろうか。思わずそう考えるほど、『紳士と月夜の晒し台』に比べて出来がいい。シリーズの定型なのか、「警察の同じ程度、あるいはそれより鋭敏に真実を捕らえる人間」がまた登場する。
この『マシューズ家の毒』は、いわゆるマナーハウスものである。マナーハウスとは書かれていないがお屋敷が舞台、家族が使用人とともに暮らしていて、出入りする医師や顧問弁護士も容疑者リストに名前を連ねる、家庭内での殺人ものだ。
実業家グレゴリー・マシューズ家は<ポプラ屋敷>の当主にして嫌われ者。その彼が突然死を遂げた。病死か殺人か判然としないなか、検死の結果は他殺。容疑者は大勢、動機もたっぷり、しかし決め手は見当たらない。スコットヤード・ヤードのハナサイド警視は、またもや癖の強い容疑者の群れの中を右往左往しながら、事件の核心へと向かっていく。
相変わらず、会話もいい。第三作にも期待する。
- 作者: ジョージェット・ヘイヤー,猪俣美江子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/05/28
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