虚栄の市/サッカリー
- 作者: サッカリー,中島賢二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/09/18
- メディア: 文庫
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- 作者: サッカリー,中島賢二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/11/15
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まだ読んだことのない古典作品。岩波文庫から出ている小説を読み、これほど面白かったのは、ウィルキー・コリンズ『白衣の女』を読んで以来のことである(両方とも、翻訳は中島賢二)。
『白衣の女』も、個性の異なる二人の女性……弱々しく、善良で美しいローラと、行動力あふれる女傑マリアンの異母姉妹……が描かれるが、この『虚栄の市』でも、まったく対照的な学友二人が登場する。すなわち、天使さながらに善良で優しく、弱々しいアミーリアと、貧しい生まれに苦しめられてきたことから、「必ずのし上がってやる」と誓った、才色兼備で性根が邪悪なベッキー(レベッカの愛称)である。
同じ学び舎で学んだ二人だが、そののちの運命は良くも悪くも、大きく異なってくる。そしていっとき離れても、思わぬところでまた出会い、二人の縁は絡み合ってくる。
ベッキーは、実際に身近にいたら迷惑きわまりない輩であろうが、小説の登場人物としては痛快である。野心と虚栄心の塊のような女性だが、ところどころで他人の役に立つこともしている。しかしラストで、まさかあんな所業に手を染めるとは思わなかった。
余談だが、北村薫『街の灯』シリーズのヒロインの一人、ベッキーさんは、自分のニックネームについてどう思っているのだろう。なにせ北村薫のシリーズはミステリだし、本家本元のベッキーは、多分「殺人犯」だし。これって、なにか深い意味があるんだろうか。
大傑作。とても面白かった。
- 作者: サッカリー,William Makepeace Thackeray,中島賢二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/01/16
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- 作者: サッカリー,William Makepeace Thackeray,中島賢二
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