ふたりきりの花園で/トレイシー・アン・ウォレン
ふたりきりの花園で (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: トレイシー・アン・ウォレン,久野郁子
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2012/01/23
- メディア: 文庫
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トレイシー・アン・ウォレンは当たりはずれの大きい作家だが、この作品は当たりの部類に入るだろう。『その夢からさめても』に続くバイロン・シリーズの二作目で、とてもありふれたストーリーなのだが、第一作より面白かった。
「金目当てで、貧乏貴族が裕福な家庭の女に近付く→本当の恋に落ちる→女が、金目当てであることに気づく→当然生じる不和→やがて元鞘に」という、もうありふれて、ありふれて、どうしようもない筋立てのヒストリカルロマンスだが、途中で投げ出すことなく読める。欲を言えば、もう少し個性が欲しかった(正直を言えば、もう少しではないけれど)
公爵家の第三男ジャック・バイロンは、容姿端麗な遊び人だった。ある日、彼は平民の実業家デンバースにカードゲームで負けたことから、莫大な借金を負うことに。借金を帳消しにしてもらうため、ジャックはデンバースの娘グレースを誘惑し、結婚に持ち込むことを約束する。デンバースは、ジャックの爵位が狙いだった。
ジャックは恋愛を演じた末、グレースとの結婚を決めるが、彼女には本当に惹かれるようになっていた。だがある日、聡明なグレースは父とジャックとの契約に気付いてしまう。
紙一重のところで、陳腐ではなく、王道となった物語。
その夢からさめても (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: トレイシー・アン・ウォレン,久野郁子
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2011/07/21
- メディア: 文庫
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