その夢からさめても/トレイシー・アン・ウォレン
その夢からさめても (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: トレイシー・アン・ウォレン,久野郁子
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2011/07/21
- メディア: 文庫
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トレイシー・アン・ウォレンは当方にとって不思議な作家である。彼女の「トラップ」シリーズは、これまでに読んだヒストリカルロマンスの中でも、もっとも面白いシリーズの一つだった。しかしながら、もう一方の「ミストレス・シリーズ」はどうにも退屈で、三冊すべて手に入れたのだが、皆最後まで読み終わることができなかった。
このリージェンシー・ロマンスものの「バイロン家」シリーズ(と呼んでいいのか)は、その中間あたりにある。そこそこ面白いが、悪役がいかにも悪の天才風に書かれていながら、結局大したことなかったことと、ヒロインが余計なことをやって、ヒーローの足を引っ張ったので、減点である。
公爵家の次男、元イギリス軍の偵察将校のケイドは、つらい過去を負っていた。戦争中、フランス軍に捕まり、拷問を受けた。自分ならず、婚約者カリダまでが。カリダの家族は全員殺され、カリダは陵辱され、惨殺された。
ケイド自身大怪我を負って生き伸びたものの、トラウマから抜け出すことができず、世間からは「つらい経験から気が触れた」と噂されながら、自分の屋敷に閉じこもって暮らしていた。
そこにやってきたのが、イギリス海軍大将の娘マーガレット。大雪に難儀するあまり、一夜の宿を求めてやってきたのだ。二人でいるところを近所の老人に見られ、マーガレットの面子を守るため、ケイドはマーガレットと偽りの婚約をする。
しかし、二人はロマンスの定石に従い、本気で惹かれあうようになる。二人の恋の本物になる頃、ケイドの前に自身とカリダを拷問にかけた男が目の前に現れた。
面白くないことはないが……先に「トラップ」シリーズの最終作を訳してほしい……。
あやまちは愛 (二見文庫 ウ 6-1 ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: トレイシー・アン・ウォレン,久野郁子
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2007/06/25
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愛といつわりの誓い (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
- 作者: トレイシー・アン・ウォレン,久野郁子
- 出版社/メーカー: 二見書房
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