FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

紳士と月夜の晒し台/ジョージエット・ヘイヤー

紳士と月夜の晒し台 (創元推理文庫)

紳士と月夜の晒し台 (創元推理文庫)

 恥を忍んで告白しよう。日頃からあれほどヒストリカルロマンスが好きだと言っているのに、大家ジョージエット・ヘイヤーの小説を一冊も読んだことがない。だから、当方にとっては本格ミステリ『紳士と月夜の晒し台』が初めてのジョージエット・ヘイヤーとなる。
 読んだ結果、なぜ彼女が人気作家となるか、理由は分かった。謎解きは今一つぬるいかもしれないが、とにかく会話が軽妙なので、読んでて楽しい。
 月夜の晩、ロンドンから離れた村の広場の晒し台の上に、一人の男性の死体が突き刺さっているのが見つかった。実業家アーノルドだ。彼の異母妹、異母弟を初め、容疑者はごろごろとしていた。スコットランド・ヤードのハナサイド警視は、容疑者の多さと、その変人ぶりに頭を痛めつつ、捜査を始める。
 彼女のヒストリカルロマンスを早速読んでみよう。いくらかネタバレになるから伏せるが、シリーズ続巻からも「あの人が名探偵」なんだろうか。