夜の欧羅巴/井上雅彦
- 作者: 井上雅彦,小島文美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/03/17
- メディア: 単行本
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ストーリーは王道なのに、細部はマニアック。わくわくするような展開と、たくさん出てくるオブジェが耽美的だったりユニークだったりして、びっくりするほど面白く、短編長編合わせて、井上雅彦の作品でもっとも楽しむことができた。むろん小島文美の表紙や挿画も、この上なく似合っている。
少年レイの母親、吸血鬼画家として世界的に名高いミラルカが姿を消した。ある廃工場で殺された男が、ミラルカの絵を握り締めていたらしい。捜査官らしき男が訪ねてきて、レイに根掘り葉掘り聞く。ミラルカは、仕事上の知り合いである青山に、レイと画集『夜の欧羅巴』を托していた。
青山と、レイ、その女友達ココは、それぞれヨーロッパへと旅立つ。ミラルカを探し、それぞれ妖魔と戦い、某組織と争い、ときには協力しながら。
魅惑的な小道具に彩られた、幻想的な冒険小説。ココと、その援軍がいかにも可愛らしい。