説教師 エリカ&パトリック事件簿/カミラ・レックバリ
- 作者: カミラ・レックバリ,原邦史朗
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/07/16
- メディア: 文庫
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「エリカ&パトリック事件簿」のシリーズ第二作。「エリカ&パトリック事件簿」と書いたが、今回妊娠中のエリカはほとんど事件には関わらないので、実際には「パトリック刑事&ターヌムスヘーデ警察署のメンバー達」の事件簿と呼んだ方がしっくりくるかもしれない。
スウェーデンの町フィエルバッカ。その洞窟で見つかった若い女性の全裸死体と、古い二つの遺体。死期は二十年以上ずれるが、いずれも同じような手口で惨殺されている。新しい亡骸は、この町を訪れた女性のもの、古いものは、かつて謎めいた失踪を遂げたフィエルバッカの住人のものだった。
二十年以上前、女性達が失踪したとき、容疑者の一人とされたのがユハンネス・フルトという青年だった。彼は癒しの力を持つ説教師エフライムの息子で、ユハンネス自身、特殊な力を持つとされていた。ユハンネスは、実兄のガブリエルに、行方不明になった女性とともにいるところを目撃され、疑いをかけられることとなった。そののち、ユハンネスは死んだ。自殺だったと言われている。二十余年の月日が経った今、ガブリエルの息子ヤーコブが宗教団体を設立し、信奉者を魅了している。
『氷姫』は「女性私立探偵物+謎解き」の魅力があったが、『説教師』は「警察小説+サイコキラーもの+謎解き」である。『氷姫』の方が面白かったが、「誰が、なんのために、殺人事件を起こしたか」の全貌を知ったときの良質の驚きは通底している。
次巻でエリカの妹がどうなっているかがとても心配。
- 作者: カミラレックバリ,Camilla L¨ackberg,原邦史朗
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/08/01
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