FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

シャッターアイランド/マーティン・スコセッシ監督

 一九五四年、ボストンの沖合。精神的な障害を患った犯罪者のみを収容する病院、それは絶海の孤島にあった。連邦保安官テディは、初対面の相棒チャックとともに島を訪れる。密室だった部屋から忽然と姿を消した女性患者レイチェルの消息を調べるため……という目的は表向きのものだった。少なくともテディにとっては。テディはこの島にいるはずのある犯罪者を追っていたのだ。
 テディとチャックはレイチェルの居場所を調査するため、様々な人間の質問を繰り返すが、院長を初め病院のスタッフ達の態度はどうにもうさんくさい。テディはこの病院に巨大な陰謀の影を感じる。同時に彼は軍人として出兵したときに味わったトラウマ、そして放火で生命を奪われた妻の幻影に苦しめられるのだ。
 デニス・ルヘインの原作を読んだことがあるから、物語の真相は知っている……が、読んでなくとも大半の人間が察しがつくのではないだろうか。丁寧に作られているのはいいが、少しばかりヒントを出し過ぎである。
 だがつまらないとは決して言えない。映画全体を包む不気味な雰囲気や孤島にある精神病院など舞台設定などゴシックサスペンスの魅力たっぷりである。
 エピローグにはひんやりとさせられる。

シャッター・アイランド (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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