放送禁止 しじんの村5/長江俊和監督
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2008/08/20
- メディア: DVD
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
「放送禁止」シリーズは、二作目の「ある呪われた大家族」が図抜けた傑作だが、今まで見た中では、これが次いで面白い作品だろう(ちなみに第一作と第六作が未見)。
自殺志願者を手助けする目的で作られた「しじんの村」。創立者は、元教師の久根仁。彼は、かつて教え子の自殺を食い止められなかった悔悟の念から、この村を作った。村人は、互いを本名ではなく、ハンドルネームで呼び合う。この共同体に、一人の若い女性が滞在している。通称ハニコ。彼女はかつて唯一の家族である姉をこの村で失っており、絶望していた。ハニコもまた自殺未遂を繰り返すものの、しじんや他の村人の力を借り、明るさや生きる意志を取り戻していく。
という感動的な物語が、中盤から後半にかけて、いきなりどす黒い色彩を帯びる。このシリーズもどれもがそうだろうが、フィクションだと思って見ていた人は食欲を失うに違いない。ハニコを親身に力づけていた青年の自殺。そしてしじんの村の崩壊。そして、ラストで見るものに明かされる怒涛の(欝な)映像の数々。
「恐怖の隣人トラブル」で、やや外した観があったが、やはりこのシリーズは凄い。ネタは知らなかったが、最後の映像の数々を見れば察しはつく。だが検索をかけてみて、細かい点を教えられ、さらにぞっとした。特に、ある人間達がある人間を見ている画面なのだが……芸が細かい。こんなところにも映っていたんだ。気付かなかった。
引っかかりは二つだけ。一般人のはずの男女があまりにも美形である点と、そしてもう一つ、「この人」は「この人達」の顔を知らなかったのか、ということである。過去の関係を考えたのならば、互いが顔を合わせている可能性は高いのではないだろうか。「この人」は本当に知らなかったのか、あるいは忘れてしまったのか、知っていても気にしなかったのか、どれなんだろう。これは検索をかけてみても分からなかった。
お勧め。ホラー好き、ミステリ好きには、必ずや一見の価値があるシリーズ。